現在、30代で子供がいない私は、「少子化」と聞くと、心がチクリとなる。待機児童や、児童手当といった対策がされているが、子育てをしている方の対策のみで、十分といえるだろうか。
私自身を振り返ると、中学の時はとにかく長い時間拘束される部活動、高校受験、大学受験、理系大学で研究やレポート作成に追われ、大学院へ、すぐに就職活動が始まり、常に何かに追われている感じがあった。就職して、ようやく「追われている感」から解放されたと思いきや、今度は「婚活」「キャリアプランの作成」「2000万円問題で老後に向けての貯金」と、やることが目白押しで、ゆっくり自分を満足させる時間がほとんど無い気がする。自分のための時間って、いつ?
就職後、残業、週に半分近くの出張もあり、時々会食。週末は寝て終わりも多々。パートナーも、残業、出張、転勤族。いつ、「子供のいる時間」を考えられるのだろうか。
残業なし、転勤希望性、出張も希望性にして欲しいと思う。一定の年数期間を定めて転勤の希望をとった場合、不公平感につながるから、全体で議論しないといけないと思う。
出張があっても、夕方までに帰って来ることができればだいぶ違う。あと、社内と社外ともに会食や飲み会をしないと「信頼関係」につながらない風潮。ランチ会食で1時間で終わってくれればいいのに。ダラダラと2次会までやる必要あるのか。仕事のための拘束時間が長すぎる。対面でなくてオンラインの打ち合わせで十分、という風潮になれば、わざわざ「出張」しなくて良いのに。月曜日の朝から会議があるど、日曜移動なんですけど。金曜の夜会食があると、土曜に帰るんですけど。
妊娠した先輩や同僚の代わりに、出張や業務増加も経験した。「自分のためになる」、と上司からも言われたが、責任が増えて、物理的に忙しくなっただけ。彼女たちが仕事復帰しても、出張は考慮されるから、負担は独身者や子がいない女性、子育てがひと段落の社員にかかる。余計に疲れて、余裕がなくなる。いつのまにか、仕事量が少ない働くママの方が自分よりも出世したことを知った衝撃は相当だった。なんで?単に働くママがいる職場をアピールしたいだけ、と思ってしまう。
じゃあ、収入を減らしても良いから働き方を変えようにも、「年金がどうなるか分からないから老後に向けて貯蓄や投資をしましょう」という政府。一方で、女性役員を30%にしましょう、との方針。この女性登用で、想定しているのは、子育てが終わった方なのか、それとも、子育て経験が無い方なのか。
なんとなく、「子育てをした女性」「働くママ」を評価したり、ダイバーシティと言ったりする風潮がイヤ。
子供を考える「夫婦」や「女性」の働き方や、「働く」ことの全体の風土を変えないと、少子化は止まらないと思ってしまう。